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『環境監視』 76-80号の要約

80号 2001年8月10日発行
タイトル 栗東町RD問題の原因は安定型最終処分場の構造的欠陥であることが明らかに
-環境を汚染する廃棄物処分場-
著 者 中地 重晴 他
要 約 滋賀県栗東町にあるRDエンジニアリングの安定型最終処分場の環境汚染に関する調査報告書を滋賀県が発表した。許可された廃棄物以外の廃棄物が不法投棄されていることや地下水汚染が明らかになったが、ダイオキシンに関する調査や硫化水素の発生原因についての調査は不充分である。また、根本的な解決策は提案されていない。
タイトル 魚介類のダイオキシン汚染の現状と対策
著 者 中南 元
要 約 日本の近海業魚は外海・外国産の魚介類よりもダイオキシン汚染が高い。99年度の環境庁の調査結果を元にCo-PCBとCo-PCB以外のダイオキシン類の濃度比を算出してみると、ごみ焼却の影響が示唆される。
タイトル 低周波音症候群-その謎を追う VIII 外因性自律神経失調症
著 者 汐見 文隆
要 約 低周波音症候群は外因性自律神経失調症といえる。ストレスなども外因としての環境に原因があると言えなくもないが、その環境から出ていけば症状が消失するという環境依存性が明確ではない。

79号 2001年6月10日発行
タイトル 水道水から検出される農薬には要注意-2000年度グリーンコープ環境ホルモン水質調査報告
著 者 中地 重晴 他
要 約 グリーンコープの依頼により2000年・夏季、2001年・冬季に九州及び中国地方西部の水道水とその原水となる河川水についての環境ホルモン調査を行なった。環境ホルモン作用の疑いのある農薬類は夏季に水道水、河川水ともに多種類検出された。アトラジン、シマジンなどは浄水過程でほとんど除去されないと考えられた。
タイトル 上野市河川調査報告
著 者 山田 晴美
要 約 1999年8月~2000年8月に上野市の排水が木津川に与える影響を調査した。上野市市街地は公共下水道が未整備で生活排水が河川を汚染している。市街地からの排水路を詳細に調べ実態を明らかにした。
タイトル 低周波音症候群-その謎を追う VII 騒音と低周波音
著 者 汐見 文隆
要 約 騒音公害と低周波音公害はまったく別な被害である。低周波音が騒音によって緩和されるということもある。防音室では騒音は低下するが低周波音はあまり低下せず、低周波の被害が表面に出てくる。

78号 2001年4月10日発行
タイトル ジオメルト工法によるダイオキシン類汚染処理を考える
著 者 中地 重晴
要 約 豊能郡美化センターや和歌山県橋本市のダイオキシン類高濃度汚染物や汚染土壌の処理方法としてジオメルト工法が提案されている。橋本市での実証実験に立ち会った結果からジオメルト工法の問題点をまとめた。重金属の挙動に注意が必要なこと、ダイオキシン類が分解後再合成されている可能性があること、ガラス固化体の安全性など問題点があることがわかった。
タイトル ジクロルベンゼン市販製品にダイオキシン汚染の疑い
著 者 中南 元
要 約 衣料用防虫剤、トイレの消臭剤に多用されているパラジクロルベンゼンや殺虫剤のオルトジクロルベンゼンがダイオキシンを含有していることが明らかになった。製造工場周辺部では環境汚染を引き起こしている。厚生労働省に三井化学等製造元の調査を要請したが、不充分な回答しか得られていない。
タイトル 低周波音症候群-その謎を追う VI ヒトかモノか
著 者 汐見 文隆
要 約 低周波音による建具や家具などの微振動である「がたつき」を工学的に解消しても身体被害がなくなるわけではない。モノに対する対策とヒトに対する対策が区別されていない。
タイトル 淀川水系の水質を調べる会活動報告
著 者 山田 晴美
要 約 1995年の調査活動によって木津川上流の汚染が進んでいることがわかった。以降木津川上流の汚染源について影響調査を行なっている。1999年~2000年には上野市の生活排水の影響を行なった。

77号 2001年2月10日発行
タイトル 水質規制値の現状-監視項目について
著 者 中地 重晴
要 約 水質の環境基準は93年3月に改正され、基準項目のほかに要監視項目が定められた。この間小規模な改正が行われてきたので、最新の基準項目と監視項目の値についてまとめてみた。ダイオキシン類対策特別措置法によってダイオキシン類が基準項目に追加されるなど、さまざまな状況に合わせて見なおしされている。
タイトル 「全国市町村別出生性比の動向調査研究中間報告書」紹介-環境ホルモン学会第3回研究発表会より
著 者 川嵜 悦子
要 約 日本人に対する環境ホルモンの影響を見出すことを目的として、人口動態統計から得た市町村別出生総数と男児割合を統計処理し、検証した。最近になるにしたがって、人口の多い都道府県ほど男児出生割合の低下傾向が出ている。また、ダイオキシン汚染地域に近接した市町村に低下傾向が見られる。
タイトル 下水道の赤字が自治体を圧迫している
著 者 加藤 英一
要 約 公共下水道は全国の99%が赤字になっている。滋賀県を例に挙げると、28市町村が公共下水道を供用開始しており、その全事業が赤字になっており、普及率が高くなるほど赤字度が大きくなる傾向がある。これは下水道の利用効率が悪いためであると考えられる。これからの汚水処理は発生源処理を基本にすべきである。
タイトル 低周波音症候群-その謎を追う V 逆転の発想を
著 者 汐見 文隆
要 約 低周波音は周波数分析をしなければ実体を明らかにできない。G特性の測定数値だけでは低周波音症候群は解明できない。測定値が大きいほど悪いという公害の常識は通用しない。

76号 2000年12月10日発行
タイトル 中国西部地方及び九州地方の河川での2,4-Dの検出は要注意!
 -2000年度グリーンコープ環境ホルモン調査中間報告から―
著 者 中地 重晴 他
要 約 昨年度に引き続き、今年(2000年)度も九州及び中国西部地方の河川水及び水道水中の環境ホルモン物質調査を実施した。農薬については、新たに2,4-Dなどを測定項目に加えたが、モリネート、2,4-D、アトラジン、シマジンが水道水中も含めて比較的高い割合で検出された。水田用除草剤では、採水時期が5月以降の試料から高頻度で検出され、散布時期との関係が推測された。
タイトル NPOの運営を学ぶ - 首都圏コープ・アメリカ環境NPOツアーに参加して(2) ―
著 者 中地 重晴
要 約 サンフランシスコの自然保護団体を訪問した。この団体は行政と協力して、自然保護の観点から土地利用政策を提案する活動を行っている。財政基盤が安定しており、活発な活動を支えていた。また、デービス市では交通政策の一環として自転車プログラムを実施しており、自転車中心の都市整備を行っていた。
タイトル 和歌山県・雑賀崎沖埋立計画とその問題点(下)
著 者 米田 頼司
要 約 埋立計画において提出された環境アセスメントに関する資料の中には、埋立地が小さく見える不適切なフォトモンタージュが含まれており、景観予測図として不十分なものであった。また、県はアセス法の適用を逃れようとしたため、筆者らはこれを裁判所へ提訴した。このような反対運動や、運輸省への予算要求見送りを受けて、埋立計画は事実上凍結することとなった。しかし、今後も行政や公共事業の在り方については厳しく追及していかなければならず、この埋立計画の正念場はこれからである。
タイトル 低周波音症候群-その謎を追う IV 医療の現場では
著 者 汐見 文隆
要 約 低周波音の与える身体被害については、頭痛、ストレス、不眠、肩凝りなどであり、被害は雑多で特徴のないものである。このような症状に対しては「自律神経失調症」という病名が付けられ、原因療法ではなく対症療法が行われる。しかし、低周波音症候群は内因性でなく外因性疾患であり、自律神経失調症であるはずがないのだが、医師に低周波音症候群の知識がない場合は、医療現場では誤診されることになるのである。

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