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『環境監視』 111号-115号の要約

115号 2007年6月10日発行
タイトル 室内環境は乾燥化が進行している? -室内塵中のカビ汚染の17年間の変化-
著 者 濱田 信夫
要 約 この20年の間に、住宅の室内環境は変化したように思われる。しかし、住宅内のカビ汚染の歴史的変化について調査された事例はない。そこで、室内塵中のカビ相の特徴について、17年前、7年前、現在の調査結果との比較を行った。また、室内塵中のカビ汚染を制御する要因を検討すると共に、住宅内の気密性が向上したことなど17年間にカビ汚染が変化した理由を明らかにした。
タイトル 水上バイクが琵琶湖に与える影響(2) -2006年度調査報告-
著 者 市原 真紀子他
要 約 琵琶湖市民大学では、2005年から滋賀県大津市の柳が崎において水上バイク調査に取り組んできた。2006年度調査結果についての概要報告。水上バイクの約半数が航行規制水域内を走行している「琵琶湖ルール違反」の実態や、水上バイク走行によって湖水中のVOC(ベンゼン、トルエン、キシレン)濃度が上昇すること、また騒音測定結果などについて報告している。調査結果は滋賀県と大津市に報告書を提出し、提言を実施した。
タイトル 琵琶湖市民大学 農業濁水見学会
著 者 伊藤 耕二
要 約 滋賀県では春になると、代掻きによって濁った水が田んぼから流れ出て、排水路や河川を経由して一斉に琵琶湖に流れ込む「農業濁水」が各地で見られる。この農業濁水は、漁業への影響や窒素・リンや農薬の流入など様々な問題を抱えている。琵琶湖市民大学では、5月3日に近江八幡市の白鳥川周辺で農業濁水見学会を行い、農業と琵琶湖の関係についての学習会も合わせて行った。当日の様子の報告。

114号 2007年4月10日発行
タイトル 宿題の残った大阪府能勢町のダイオキシン汚染の無害化処理
著 者 中地 重晴
要 約 大阪府能勢町のダイオキシン汚染問題は、公害調停で定められた無害化処理完了の期限を経過したが、未だ問題解決には至っていない。公害調停の成立後、汚染土壌などの無害化処理が検討されたが、地元住民の同意を得るのに時間がかかったこともあり、処理の実施が大幅に遅れることとなった。ダイオキシン汚染の無害化処理の現状と残された課題についてまとめた。
タイトル 清涼飲料水中のベンゼンについて
著 者 市原 真紀子他
要 約 厚労省の発表により、安息香酸とアスコルビン酸(ビタミンC)の両者が添加された清涼飲料水中からベンゼンが検出されたことが明らかになった。環境監視研究所では日本消費者連盟から分析依頼を受け、23の市販飲料水についてベンゼン濃度の分析を行った。調査結果についての記事「消費者レポート」を転載し、その内容を紹介するとともに、海外の動きや安全性評価などについて補足している。

113号 2007年2月10日発行
タイトル 化学物質管理をめぐる議論の場に参加して
  -産構審化学物質政策基本問題小委員会の報告-
著 者 中地 重晴
要 約 現在、PRTR制度を定めた化学物質排出把握管理促進法や化学物質審査規制法など、化学物質に関わる法制度の見直し時期に差し掛かっている。筆者は市民セクターの代表として、法改正に向けた議論の場となる委員会に参加してきた。委員会による中間とりまとめと、化学物質管理に関する市民の意見についての報告。
タイトル 計画からの遅れが明らかになった無害化処理 -豊島の現状報告(7)-
著 者 中地 重晴
要 約 2003年9月の、豊島廃棄物等無害化処理施設の本格稼働から約4年が経過した。しかし、無害化処理は計画の約90%の進捗状況であり、このままだと処理完了が約1年遅れると予想される。香川県から出された処理効率を上げる対策案の問題点についてまとめた。産廃特措法によって補助金が交付されているため、香川県は計画通りの年数で処理を終えるとしているが、安全確実な処理を行うためにも、基本に立ち戻って無害化処理計画を見直すべきである。
タイトル

終わらない水俣病 -現地の声を聴く-

著 者 市原 真紀子
要 約 2006年10月、琵琶湖市民大学若手スタッフで水俣を訪問した。旅のスケジュールや概要についての簡単な報告と、現地でお聞きした水俣病患者である緒方正実さんのお話の紹介。なぜ水俣病発生から50年経っても水俣病が解決できないのか、自身の体験を元に、水俣病認定申請の矛盾点や行政の対応を絡めて検証している。

112号 2006年12月10日発行
タイトル 琵琶湖を科学する(2)
著 者 辻村 茂男
要 約 今年8月末に行われた環境講座「琵琶湖市民大学」の中から、「琵琶湖を科学する」と題した講演についての要約(続編)。1970年代以降における琵琶湖の水質の変遷について、水質保全対策、赤潮、アオコなどの問題を交えて解説し、最後にこれからの琵琶湖の課題について言及している。
タイトル 木津川水系の水道水について -水質試験年報および浄水場見学から-
著 者 市原 真紀子
要 約 木津川水系を水源とする水道水中のトリハロメタンは比較的高い値であることから、その中でも奈良市営、奈良県営、京都府営の4つの浄水場に着目して、トリハロメタン問題を中心に解説している。水質試験年報などの文献調査や、奈良市営緑ヶ丘浄水場の見学を行い、そこから見えてきた様々な問題点について議論している。
タイトル PRTRデータでみる合成洗剤の現状
著 者 中地 重晴
要 約 PRTR制度(環境汚染物質排出移動登録)によって、界面活性剤の生産量、環境中への排出量などの推計値が公表されている。全国出荷量が多いLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)とAE(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)について、PRTRデータから排出量、移動量の経年変化などを検証した。また、合成洗剤の都道府県別一人当たりの使用量について試算を行っている。
タイトル リバースクール 川の調査編報告
著 者 伊藤 耕二
要 約 淀川水系の水質を調べる会は、今年11月に3回目となる川の調査観察教室「リバースクール」を開催した。木津川中流域の河川敷において、水生生物の採取と観察、パックテストを使った水質測定と、流速計を用いた河川の流量測定を行った。当日の様子などの報告。

111号 2006年10月10日発行
タイトル 琵琶湖を科学する
著 者 辻村 茂男
要 約 今年8月末に行われた環境講座「琵琶湖市民大学」の中から、「琵琶湖を科学する」と題した講演についての要約。琵琶湖の自然環境の概説から、水温躍層など琵琶湖の水の動き、琵琶湖底層の低酸素化現象などについて解説している。
タイトル 土壌汚染対策法の現状と課題
著 者 中地 重晴
要 約 土壌汚染対策法は2003年に施行され、3年が経過した。近年では、調査事例と環境基準超過事例はともに増加傾向にあるが、明らかになった事例は氷山の一角であり、土壌汚染対策が進んでいるとは言い難いのが現状である。土壌汚染の現状を解説し、土壌汚染対策法の概要や課題について言及している。
タイトル (旧)ユアサ高槻工場跡地の土壌汚染について
著 者 二木 洋子
要 約 (旧)ユアサ高槻工場では、蓄電池製造のため、鉛を初めとする重金属や化学物質を大量に使用してきた。工場閉鎖後、土壌汚染調査が始められたが、土壌や地下水で深刻な鉛汚染が明らかになり、工場周辺でも鉛の高濃度汚染が明らかになった。ユアサは企業責任として、汚染調査や浄化対策など、汚染者負担の原則に従うべきであろう。

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