トップページへ
お知らせ 環境監視研究所とは 活動 会報『環境監視』 『環境監視』総索引 会員募集 リンク

『環境監視』 131-135号の要約

135号 2010年10月10日発行
タイトル 下水道は役に立ったか・その12 下水管が原因の道路陥没
著 者 加藤 英一
要 約 下水管の大半は道路の下に埋められており、過去20年ほどの間に下水管が原因の道路陥没は全国で年間4000~6000件程度発生している。道路陥没は夏に多く、降水量やアスファルト舗装等の強度低下が影響している。また、建設からの経過年数が古いほど発生頻度が上昇すると同時に、主要な原因は管のズレ・接合不良が大半を占めており、下水管の施行や点検に問題があることを示している。
タイトル 日本におけるPRTR制度とその運用に関する評価(2)
著 者 中地 重晴
要 約 PRTR制度の見直しで改正されなかった取扱量・保管量の問題について解説。また、日本における市民によるPRTRデータ活用例としてTウォッチ、エコケミストリー研究会を紹介し、韓国をはじめアジア諸国の同制度の運用例と比較。
タイトル COP10により生物多様性の保全は進展するか?
著 者 伊藤 耕二
要 約 2010年10月に名古屋市で生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)およびカルタヘナ議定書第5回締結国会議が開催されることに伴い、生物多様性保全に関する国際的な取り組みの概要を示し、締結国会議の論点を考察した。また、日本で生物多様性基本法が制定された経緯や、生物多様性国家戦略2010を紹介した。

134号 2010年8月10日発行
タイトル 日本におけるPRTR制度とその運用に関する評価
著 者 中地 重晴
要 約 2001年度より施行されたPRTR制度の概要と集計公表データに見られる排出・移動量の推移について解説。排出・移動量の経年変化は減少傾向であるものの、集計方法の変更や景気低迷の影響もあり、事業所の排出削減がどこまで反映されているのか見えにくい部分もある。
タイトル 環境省「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2010-」発表
  ~環境ホルモン対策への失われた5年間を招いた「ExTEND2005」からの再スタートなるか?
キーワードは加速化~
著 者 川嵜 悦子
要 約 1998年の「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」が一定の成果を上げたとして策定された「ExTEND2005」であったが、野生生物や子どもへの影響など、試験研究や評価に向けた取り組みは停滞していた。しかし、2009年に開催されたOECDの環境ホルモン物質に関するワークショップ等で、加盟国がこの問題に積極的に取り組むことが確認され、日本でも新たな指針「EXTEND2010」が策定された。再び環境ホルモン物質に関する研究や環境リスク評価が進展すると期待したい。
タイトル 下水道は役に立ったか・その11 処理水の再利用
著 者 加藤 英一
要 約 下水処理場の処理水(放流水)を再利用しているのは、全国の処理場数の約14%に過ぎず、再利用水量はわずか1.4%に留まっている。処理水の用途は、水洗トイレ用水、河川維持用水、融雪用水、農業用水や工業用水と多岐に渡るが、多種多様な排水が混合し、かつ最下流に処理施設がある現在の下水道システムは、処理水の再利用が難しい。

133号 2010年6月10日発行
タイトル 温暖化を口実に進められるプルトニウム利用が引き起こす放射能汚染
著 者 末田 一秀
要 約 地球温暖化対策としてCO2排出量が少ないとされる原子力発電が注目されるが、さまざまな論文やデータを読み解くと、原子力発電のCO2排出量は火力を上回ることはないものの、太陽光や風力よりも多く、再生可能エネルギー開発を阻害している側面さえある。さらに、高速増殖炉もんじゅの危険性、六ヶ所村の再処理工場周辺の放射能汚染の実態について解説。
タイトル 京都大学35年、京都学園大学4年を振り返って
著 者 石田 紀郎
要 約 京都大学を退官した後、私学の京都学園大学の教員となり、新設のバイオ環境学部の立ち上げに参画した。地方大学の生き残りをかけて、地域に根付いた大学経営、環境問題に携わる学生の育成を目指して奮闘した記録。
タイトル 下水道は役に立ったか・その10 処理場の放流水質(BOD)について
著 者 加藤 英一
要 約 下水道放流水の水質は下水道法により定めらており、BOD、チッソ、リンについては処理方法ごとに「計画放流水質」として設定されている。全国の下水処理場放流水の水質を下水道統計から検討すると、基準値を超えている処理場は全体の数%とおおむね良好といえる。ただし、下水道統計は年平均値のみを掲載して、法令の求める検査ごとの上限に対応していないため、最大値も記載すべきである。
タイトル 汚染土壌の水洗浄処理で、進捗率向上を目指す豊島の無害化処理
  -豊島の現状報告(10)-
著 者 中地 重晴
要 約 不法投棄された廃棄物の総量の見直しが行われ、本格稼動後6年半が経過した2010年3月末現在の無害化処理量の実績は計画から大幅に遅れている。無害化処理の進捗率向上を目指し検討されている汚染土壌の水洗浄処理と今後の展望を報告する。

132号 2010年4月10日発行
タイトル 景気変動の影響を大きく受けたPRTR制度 -2008年度集計公表データから-
著 者 中地 重晴
要 約 PRTR制度に基づく2008年度分の集計公表データでは、届出排出・移動量について総排出量が前年度比約15%減、総移動量が同約10%減と大きく減少した。これは2008年秋の世界同時不況に伴う主な業種の生産量減少に連動したと考えられる。排出量上位物質に代替フロンが初登場し(7位)、非イオン系界面活性剤の一種が4位に上昇した。
タイトル この10年を振り返って
著 者 市原 真紀子
要 約 環境監視研究所の研究員として、2000年4月から10年間の調査研究活動、環境問題への取り組みを振り返った。淀川水系の水質を調べる会の調査では、従来の濃度分析に流量測定を加え、負荷量に基づく河川汚濁を解明した。滋賀県審議会の委員となり、琵琶湖市民大学の水上バイク調査の結果に基づき、レジャー利用に由来する環境負荷の削減を提言した。
タイトル 下水道は役に立ったか・その9 コレラと水道・下水道
著 者 加藤 英一
要 約 江戸末期から明治初期には、人びとの国内外へ移動性が高まり、コレラによるパンデミー(世界大流行)が始まった。明治政府は下水よりも水道優先の整備を進め、大阪府も1890(明治23)年に水道工事の着手を決めた。その他、伝染病のペストや大阪の衛生組合について解説。

131号 2010年2月10日発行
タイトル 施設解体へ最終段階を迎えた大阪府能勢町のダイオキシン汚染問題
  -10年前の対策の不備が明らかになった周辺調査とその課題-
著 者 中地 重晴
要 約 大阪府能勢町のダイオキシン汚染問題は2000年に公害調停が成立し、今年夏に10年を迎える。10年前に汚染土壌を掘削除去する環境保全工事が実施されたが、高濃度のダイオキシン類汚染土壌が放置されてきたことが昨年4月に明らかになった。汚染発覚から高濃度汚染土壌・焼却灰等の無害化処理の経過をまとめ、今回明らかになったダイオキシン類汚染問題とその課題について論じている。
タイトル 2009年台風9号により被災した佐用町を訪ねて
著 者 伊藤 耕二
要 約 2009年8月の台風9号により兵庫県西部に位置する佐用川が氾濫し、佐用町は大きな被害を受けた。筆者は12月に佐用町を訪問し、地元の方に当時の様子を聞き、上流部の土砂崩れ発生現場を見学した。崩壊場所は断層沿いの植林放棄地であり、すぐ隣の防災保安林や雑木林では斜面崩壊が見られなかった。これまでの河川整備はコンクリートの力に頼るのみであったが、今後は山の保全(森林涵養)を含めた総合的な地域防災を検討する必要があるだろう。
タイトル 下水道は役に立ったか・その8 屎尿と下水道
著 者 加藤 英一
要 約 屎尿利用の歴史を振り返ると、屎尿は古来から肥料として利用され、経済的価値が認められていた。下水道が整備された当初は、汚水と雨水を同一管渠で流す「合流式」であったが、これは下水道に屎尿を受け入れないことが前提であった。しかし、屎尿の利用が行き詰まり下水道に屎尿を受け入れることになったことから、今日にも及ぶ「合流式下水道対策」という課題が残された。世界と日本の屎尿利用の歴史について詳しく解説している。
  このページのトップへ 前のページへ次のページへ

© 2000-2010 環境監視研究所